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 「理想境建設に邁進する」ために


―アドラー心理学による方法―





はじめに

 我々は鎮魂行において、「理想境建設に邁進する」と決意を述べています。
邁進するための具体的方法のヒントについて述べます。


理想境とは、平和で豊かな社会=みんなが幸せに生活できる社会であり、
開祖の表現では「半ばは自己の幸せを、半ばは他人の幸せを」となります。


つぎに、アドラー心理学の考え方と少林寺拳法の教えの共通性を見ます。
アドラー心理学の目指す共同体感覚は、他者を仲間と見なし、
そこに「自分の居場所がある」と感じられる気持ちとなります。

つまり、「理想境=アドラー心理学の共同体」と考えられます。

そして、共同体感覚を獲得するためには3つの必要条件があります。
自己受容、他者信頼、他者貢献の3つです。

自己受容=ありのままの自分を受け入れ、変えられものは、変えていく「勇気」を持つこと。
これは少林寺拳法の目指す人間像「自分の可能性を信じる」ことです。

他者信頼=相手を無条件に信じること。これは少林寺拳法の特徴の「組手主体」
     につながります。

他者貢献=自己を犠牲にするのではなく、自分の価値を実感するためにこそなされるものであり、
自分は誰かの役に立っていると思える時だけ、自分の価値を実感できる、
つまり人は感謝の言葉を聞いた時、他者に貢献出来たことを知る。

他者貢献について、開祖は「人に親切にしてもらった時より、人親切にして喜ばれた時の方が
喜びは大ききい。」と説明された。

道院とは、社会への貢献を生き甲斐する生き方を形成する場である。(『金剛禅読本』p.36)

つまり、アドラー心理学の目的と道院の目指すところは同じものです。

更にアドラー心理学では、「本当に貢献できたかどうかなどは、原理的には分かり得ない。
貢献感を持てればそれでいい。」と親切なアドバイスもしてあります。

そして開祖は「地球は一つの共同体になる必然を有している」と説いている。(少林寺拳法会報 2011年2月号)



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